協力パートナー
COOPERATION PARTNER
家づくりのプロが語る「大河内工務店っていいよね」と言われる訳
大河内工務店に触れたいろんな人が「なんかいいよね」と口にします。それは具体的に何を指すのか大河内工務店を良く知る協力パートナーの方々にインタビューしました。
●大河内工務店に対する第一印象を教えてください。
真鍋:「今でも伝統工法でやっている工務店はあるんだな。」という印象です。噂は聞いていたが実は正直ビビッていました。
片原:リノベーションの看板を見ていたので木をふんだんに使う「難しい仕事が待っているな」と感じましたね。
前川:家に対する熱量やこだわりですね。そして「大工としてこれぐらいの仕事をせないかんやろ」という私の熱量を加えたいと思いました。大河内工務店は4寸柱とか四国間が使われていてコスト的には一番最初に削られる部分ですが基本的なところを変えないというこだわりを感じました。また最近は和室が減ってきているのですが、ちゃんとした和室が多いという印象がありました。
宮武:今から30年前、善通寺と仁尾に「すごい家建てるよるな。どこの大工さんが建てているんだろう」と気になった家があったのです。その時、異業種交流で大河内社長に会って現場をみる機会がありました。
するとあのすごい家が大河内という事がわかり驚きました。それが最初です。
●これまで一番印象に残った仕事は何ですか?
真鍋:古民家再生で古い家を解体して部分的に増築という仕事です。古い家を壊したら立派な梁が出てきてお施主様が「この梁使いたい。」と呟やかれました。私はすぐに「はい、頑張ります。」と即答しました。それが梁が曲がりくねってるから、なかなか難しいんですね。使える木と使えない木を分けて見極めて計算して番号を付けて材料を前に頭を捻りましたね。
宮武:曲がっている丸太を木を組み合わせて全く形が違うものを作り出すんですね。「これは子供の頃にみた大工の技術だよな。」と思い出しました。今は何でもやります。でも同様の事を機械でやるのは無理だと思います。
真鍋:もう一つ、築100年の朽ち果ててる家のリノベーションがありましたね。お施主様が「建て替えるのはいやだ。」と。「どう修理するか」が一番大変でした。古い家なのですべて丸太なんです。丸太と角をあわせるのは至難の業です。ここでも「本当に手に負えるだろうか?」と考えましたね。
宮武:朽ち果てた木を除いて新しい木を加えるという事です。家の角がないのを継ぎ足して作る、大変と言いながら親方楽しそうにしているなというのは分かりましたね。
片原:一言でいうのは難しいですね。最近だとエアコンのダクトを天井配管する際、天井高をいっぱい取った時に通らない事があるんです。そんな時に「どのようにしたらダクトがすっきり納まるか」という問題が起こりました。結局、現場監督さんと相談して天井高を微調整したら解決した現場がありました。また作業途中で「この高さで本当にお施主さんが使い勝手がいいんだろうか?もっとよい方法があるのではないか?」と感じた場合は、現場監督さんを通じて確認してもらうようにしています。
請川:大変なところですよね。それもお施主様のやりたいことを達成するためにどう叶えるかです。通常、住宅会社の場合は同じことの繰り返しの要素も多いのですが、大河内さんの場合は毎回珍しい(難しい)話になるんです。
1件1件、オリジナリティがありますね。それを大工さんを中心にいろんな業者さんが工夫してやるという事です。これは先代の頃から引き継いでやっています。大河内のDNAともいえるでしょうね。「お施主様の希望を叶えるために集まろう」
なんとなくそんな意志が伝わる人達(協力パートナー)です。
前川:あと造作家具の仕事でお施主さんがこだわりの強い方でキッチン横のカウンターの棚を作る時、木の切り口を見えないように加工しました。これは手間がかかるので普通はやらないでしょうね(笑)やっぱり大河内さんのやり方が職人とお客様の距離が近いので意見が直接来るんですね。もちろん一緒に打ち合わせもします。お客様の気持ちがダイレクトにわかるからでしょうね。「こんなことできないでしょうね?」と言われたら燃える感じですね。
宮武:一般的によく聞くのは、「お客様と職人が話したら住宅会社や工務店に怒られる」という事ですが、大河内さんの場合はありません。もちろん、現場監督さんに報告は必要ですから「こんな話がありました。」とか相談は頻繁にします。
請川:屋根の場合、デザインで職人が入れない時にも瓦をつけたいという場合、大工さんに手順を変えてもらう必要があるんですね。そんなことはよくあるんですよ。増築の場合には「瓦割」というのですが瓦の寸法にあわせて大工さんに屋根の形を作ってくれないとうまく納まらないし雨漏れの原因になってくるので綿密な打ち合わせが必要なんです。
●大河内工務店の仕事をやり続ける理由は?
真鍋:大工の技術を発揮できる機会が多いからです。やっぱり大工ですからね。少しでも能力を発揮したいという願望はあります。
宮武:木材はずっと呼吸しているから建った後でも割れたり反ったり曲がったりするんですね。自然のものだから。だから大工さんが墨付けや造作の時に「これは上側に反るよ」「下にだれるよ。」とか「天井部分は何年かしたら下がってくるから微妙にあげとこう」というように年輪を見ながら木の特性に応じて考えて加工しているんです。これが大工さんの技量ですね。
真鍋:梁でも背中と腹があります。だからどちらに使ってよい訳ではなく強度が違うんです。こういった知識や経験が活きる機会があるというのが魅力です。
片原:難しいけどやったら達成感があります。大河内さんは納め方のきめ細やかさが結構シビアなんです。例えば、枠の幅で「10㎝ぐらいクリアをとっておけばいい」という場合と「隙間なく納めていく」
とでは当然変わってきます。大河内さんの場合は、お施主さんの詳細な要望を設計やコーディネーター、現場監督の方が把握しています。なので要望にあわせてぴったりと納める方がきれいだし使いやすいわけです。
請川:お施主さんの希望をなんとかしようという事だと思いますね。規格が決まっていると「他にはできません」となりますけど大河内さんの場合は自由度が高いので大工さんの施工のやり方や順番を工夫する必要があるんです。
前川:仕事としては大変ですが造り付け家具や和室が多いので大工として自分の力を試せる機会がありますね。
請川:木目がうまく合うようにするんですよ。それが結果的にデザインになるようにね。和室は木をどのように見せるかは納める大工によって如何様にも変わってきます。
●どんな想いでやっておられるのですか?
真鍋:現場監督さんやお客さんから期待されているので「任せて下さい」と言いたいのとお施主様は大河内工務店の看板を信じて依頼しているので応えたいという気持ちです。 ちょっとでも気を抜くと微妙に伝わってしまうんですね。それは経験でわかるんです。だから私はいつも全力投球するつもりです。最低100点で120点、130点、200点とお客さんから満足を頂けるのが私の仕事の結果ですね。
片原:現場監督さんにも喜んでほしいですがお施主様に満足した仕事がしたいですね。「きれいな家が建った」「こんな気遣いしてくれた」「職人が良かった」という顧客アンケートのコメントが返ってくると嬉しいです。厳しいことがもし書かれてあったら改善したいと思います。
請川:ウチは大河内さんの先代の時からのお付き合いですから親方のところという想いがあります。地域の伝統を背負って現代のお施主様にあわせた家づくりを支えていきたいですね。仕事もそうですが楽しい事も一緒にやっていきたいです。
●協力パートナーさんから見てどんな点が他の工務店と違いますか?
宮武:いろんな分野の業者さんが助け合うムードはありますね。
請川:新規の業者さんが入ってきても特定の人が幅を利かすという雰囲気はないと思いますね。「効率とか利益とかだけでなくいい仕事をしよう」いう人が集まっているのかも知れませんね。
宮武:団結式でお施主様と業者が顔を合わすというのもよいのだと感じますね。一度会っていると現場で「木材屋の〇〇です」と言っても話しやすいです。そんな時、お施主さんが「うちに入ってくれとる大工さんはとってもいいんですよ。」と自慢話をしてくれるんですよ。いいコミュニケーションができているんだなと思いますね。
前川:業者会は自然とみんなが繋がっている感じがします。私は2年前だから新しい方なんですけど「よう入ってくれた。これから頑張ろうな」とベテラン業者の方から言われましたね。
請川:屋根の場合は早い段階で施工するので完成後お施主様とお会いする機会が少ないんですね。それが夏祭りのようなイベントがあるとお施主様の声を直接聞けるので嬉しいし参考になりますね。コロナが収束したらまたやりたいですね。ウチの会社にも女性の「鬼瓦士」というのがいますので体験型の企画ができますよ。
●お互いに助け合いながらいい仕事をしようという協力パートナー同士の風土は工務店側がコントロールしづらいと思うのですが、なぜ実現できたのでしょうか?
前川:もちろん社長始め方針がきっちりあると思うのですが、職人と接する現場監督さんですよね。「仕事を出しているんだ」という元請け感ではなく職人さんを立てながらやりとりしてくれると感じています。若いメンバーも多いですがこちらから情報提供できることは教えたりしていますね。一緒に現場を作っている感じはあります。
真鍋:以前工程会議で設計の方から「お客さんから”大河内さんの建物や現場はなんか違う、きれい、丁寧な感じがする”と言われます」と聞きました。私たちからすると嬉しいです。細かいところまで気を使って納めるお客さんからみて”違和感を感じないようにする”ことが大切だと思っています。
宮武:ひと手間余分に手をかけるという事ではないですかね。例えば、材料を機械で削ってそのまま使うのと大工さんが自分の目でみて出す前に加工する違いだと思います。
前川:いつか私が携わった家をお爺さんが見た時に「当時、いい大工が入っとったんやな」と言われたらいいな、というのはありますね。
●これから家を建てる人にメッセージをお願いします。
真鍋:やっぱり家を建てたOBさんの声を聞くことだと思います。
宮武:大工館も高松店も地元の木材を使って建てています。ぜひ地元四国の気候に合った木材を見直してほしいですね。
前川:最近のお客様は自分で勉強する人が多いのですよね。だから何を重視するかを決めることが大事だと思います。
請川:日本の家はやはり木造で骨組みがしっかりしているのがまずは基本だと思います。特に風雨に晒される部分は日本の木(檜、杉、松)を使うのがよいと感じます。内装や外装はいろんな好みがあっていいと思いますがまずは土台です。